某歴史小説家「ふむ、今回は織田信長を題材に一作書いてみるか」
「いろいろ資料を集めてみて、と
……う~ん、思ってたよりも結構地味だなあ。いや、いろいろ華はあるんだけどね?」
「うんよし、社会情勢に合わせて『革新性』をテーマにしよう!」
原稿カキカキ
「最後にこの作品はフィクションです云々、と。よし脱稿!!」
大衆「信長ってすげー!!革新的な人物だったんだ!それに比べて信玄や足利将軍は……」
研究者「いや、実際にはそれほどh大衆「「「信長すげーー!!厳しくも革新的な姿にしびれるぅ!憧れるぅぅ!!」」」
研究者「……まあ、所詮は小説だからなぁ」
新人小説家「おれもいっちょ、信長をテーマに歴史小説を書いてみるか」
「尊敬する大先輩小説家の作品を読んで……うん、確かに面白いんだけど別の切り口から書いてみるか」
「今の時代、革新性よりも『家族愛』が流行ってるからそちらをテーマにして……と」
ワープロポチポチ
「この作品はフィクションですよ、と。うし!出版社に持ち込むぞ!!」
大衆「へー、信長って家族愛にあふれた人物だったんだ!
革新的だけど苛烈な人物に描いた老害作品は嘘だったんだ!!」
研究者「もちろんそういう一面もあったかもしれませんがn大衆「「「「信長やさしーー!!大河ドラマ決定だーー!!!」」」」
研究者「……まあ、小説だしねぇ」
「信長が人気だからわいも書いてみるかの。
もちろん歴史小説は門外漢だから専門分野の『経済』をテーマにしてな」
出版社担当者
「先生、信長がいきなり経済について詳しく語りだすのはどうかと思いますよ?
しかもかなり説明的な記述が必要になるんですが……」
「う~ん、それじゃあ語り部になる人物を一人創作して、そいつの視点から語らせることにしてみよか。
諸国を渡り歩き、南蛮人とも交流があるとかいう設定にすれば経済の知識に詳しくてもおかしくないやろ」
経済小説家「よし!ビジネスマンにヒット間違いなしや!」
出版社「新たな解釈の信長像だ!!迷える現代人の道しるべとなること必定!!」
ビジネスマン「へー、戦国時代をネタにして経済を語るとは面白いねえ!」
テレビ会社「これは大衆受けすること間違いなし!大長編歴史ドラマにするで!」
現在進行形で創作されてるから、ある意味日本史上最大のヒーロー(おもちゃ)や
大衆「信長ってすげーな、経済にも強かったんだ」
「ん?この脇役の人物って誰だ?こいつ信長になにかと助言してる……実はこいつが黒幕なのでは!?」
「(研究者に電話)おい!ドラマに出てたこの人物について教えてくれ!!」
特にないで。それぞれの小説家のモデルは一応いるが、あくまでもモデルや
>>12
料理人が信長について何か本を書いとるのか?それは逆に読んでみたいわ
漫画やぞ信長のシェフや
サンクス、調べてみるわ
>>24
織部乙
大衆「何言ってるんだ!?テレビに出てたんだから創作上の人物なわけないじゃないか!!」
研究者「えぇぇ……」
コロンブスの卵みたいなもんじゃないか?先駆者がいたからこそ、後進が力を発揮できる基盤が築かれたわけやし
>>20
しょせん、小説は小説やしな。「史料に忠実」なんていってもその「史料」が過去のいつかの時点で意図を持って創られたものかもしれんし
30年ぐらい前に読んだぞ
モバゲー?エブリスタ?かどっかでそんなの無かったっけ?
志茂田景樹の『戦国の長嶋巨人軍』っぽいかと思ったらそんなもんがあるんやな
つ「以上、このエピソードはいずれもフィクションです。」
読者「すげー!これが歴史の真実だ!」
研究者「これは創作だ!〇〇史観は誤っている」シュババババ
某超大物歴史作家「私はあくまで小説家。本の内容はフィクション」
これホンマにムカついたわ
自分で歴史観クリエイトできる快感に酔ってそうやな
実は両性具有者なんやで?知っとったか?
国盗り物語くらいやんな
信長がメインなのって
山田風太郎は歴史というより伝奇ものが中心やからええやろ
忍法帖シリーズとか
『妖説 太閤記』は名作やと思う。秀吉に対するイメージが一変したわ
柳生十兵衛とか完全にその忍法帖のイメージと化してないか?
実際は蟄居の期間長くて事態が良く分かってないんやろ
十兵衛も襲名制やったらしいしな
昨日大阪で戦争してたかと思えば、今日は京都で接待して、次の日には福井で指示出して、次の日には岐阜で政務見ながら面談するとかそんな感じ
若い頃は遊びに歩いてたと思われがちだが、実は武芸や水泳で自己鍛錬ばかりしてたというのもあまり知られてない
信長軍団はブラックだが、トップの信長自身が一番働いてるんだから部下は付いていくしかない
ある小説で読んだエピソードだが、織田家と別の大名家の出張(前線視察)のの比較
・別の大名家
本城を暖かくなった昼食後に出発。昼下がりに到着したら、その日は宴会に突入
翌日は酔いが抜けてからゆっくり視察し、もう一泊して翌日帰城。報告は3日目の昼ごろ
・織田家
本城を早朝に出発。昼前に到着して、弁当片手に前線を急いで視察。夕日を追いながら帰り、主君(信長)には夕食がてら報告。
信長は夜の間に作戦を練り、翌朝(2日目)一番に指令を下す。
といったスピード感の違いを表現してたな
人間ドラマに深みは出てくるんだが、かといってそれが数百年前の人物たちのメンタリティに合ってるかは何とも分からんね。
時代劇見て所作がどうのこうの言ってるのも大抵老人
歳を取ると創作と現実の区別がつかなくなるらしい
司馬の活躍した昭和40年代はまさにサヨクこそ正義の真っ最中時代やったんや
マルクス史観全盛で日本史は暗黒史観と呼ばれ明治から戦前に日本は悪の軍国主義で
江戸時代は停滞した百姓を弾圧してたって階級史観がホンマに正しい史観とされてたんや
そんな中で司馬遼太郎がそんなことあるかい、日本史はもっと誇らしい歴史だとたった1人でマルクス史観を
押し返したんや、だから保守のバイブル史観の役割を果たしてた
共産党では青年部で禁書となり司馬遼太郎を読むことを禁じてたくらいや
現代の視点からは色々修正したい面もあるだろうが司馬遼太郎の果たした役割の大きさは理解しろや
「家康は晩年になってから秀吉や信玄、さらには義元の思い出話も語ってた。
だけど信長のことは一切語ってない(という記録)。
心底から信長が嫌いやったんじゃないか」
というのが面白いと思う
とある古武術流派で我が流派に伝わる古伝として座敷で襲われた時に座布団を使ってウンヌンという
技を披露したら他の先生から、アンタなあ座布団というのは明治以降に普及したもんで江戸時代以前に
座布団なんか使われておらんわ、と言われ赤ッ恥を晒したって話もある
多くの古武術は明治時代に後継者不足で断絶したそうな。
そしてその後大正~昭和初期に剣豪小説で空想上の江戸時代がブームになったらしいから、その頃にいろいろ伝統がねつ造されたのかもな
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