飛行機の窓の角が丸くなった理由には血塗られた歴史がある
小さくなっていくビルやどこまでも広がる一面の雲を窓から眺めるのが飛行機に乗る楽しみの1つという人も多いはず。そんな飛行機の窓はどれも角が丸くなっていて、地上の建物のような四角い窓がついていることはありません。飛行機の窓がたどった「血塗られた歴史」について、プログラマーのジェイソン・レフコヴィッツ氏が自身のブログで解説しています。
Why airplane windows have round corners | Just Well Mixed
https://jasonlefkowitz.net/2016/09/why-airplane-windows-have-round-corners/
初期の飛行機の歴史とは「軍用機の歴史」といえます。第一次世界大戦と第二次世界大戦では飛行機技術が軍事目的で利用され、軍用機で制空権を取ることは戦局を一変させるほど大きな意味合いを持ちました。第二次世界大戦が終結してようやく、飛行機の仕事は人と荷物を運ぶことになったわけです。
第二次世界大戦後の1949年、プロペラエンジンを搭載したプロペラ機が主流だった中、デ・ハビランド・エアクラフトが高出力で低騒音・低振動な新技術「ジェットエンジン」を搭載した旅客機「DH.106 コメット」を発表しました。DH.106 コメットによる空の旅は静かで快適で、出力を生かした高高度飛行によって天気の影響を受けにくく、さらに飛行速度も1.5倍。運行開始は1952年でしたが、登場後まもなくDH.106 コメットはイギリス航空機業界を席巻します。
しかし就航から1年後の1954年1月10日、英国海外航空シンガポール発ロンドン行781便が地中海上空で突如爆発、乗組員6名と乗客29名の合計35名が全員タヒ亡するという墜落事故が起こってしまいます。さらに同年4月8日、南アフリカ航空にリースされていた機体がイタリアの西側に位置するティレニア海で爆発し、乗組員7名と乗客14名の合計21人が犠牲になりました。この一連の事故はコメット連続墜落事故として社会問題となり、当時のイギリス首相ウィンストン・チャーチルが「資金と人員を惜しまず徹底調査せよ」と声明を出す事態となりました。
イギリスの航空機に関する国立研究施設であるロイヤル・エアクラフト・エスタブリッシュメントはチャーチルの命を受けて原因究明に奔走します。イタリア沖に墜落した機体のサルベージや大がかりな再現実験により判明したのは、当時のDH.106 コメットの「窓の角」が事故を引き起こしたということでした。
ジェットエンジンの出力によってDH.106 コメットはより抵抗の少ない高高度飛行が可能になりましたが、人間はそのような高高度の低気圧に耐えられないという問題がありました。その問題の解決策となったのが「機内の加圧」です。機内を加圧することによって外の空気が薄くなるような高度でも内部の人間が呼吸できるわけです。
しかし、機内を加圧すると飛行機の機体自身に圧力がかかります。当時のDH.106 コメットの窓は角が直角だったため、応力集中という現象により角の部分には過大な圧力がかかってしまいました。1年間の飛行を経たDH.106 コメットの窓の角は金属疲労によりもろくなり、圧力に耐えきれず崩壊。急激な減圧が事故を引き起こしたということです。
原因が判明したDH.106 コメットは改良されましたが、デ・ハビランド・エアクラフトは倒産。航空機製造の覇権はボーイングやロッキードなどのアメリカのメーカーが握ることとなり、世界の航空機の窓の角は丸くなったというわけです。
https://gigazine.net/news/20190723-why-airplane-windows-round-corners/
28: 2019/07/24(水) 20:34:46.48 ID:FEiYci8V
だれか読んで
そんな怖い話じゃないから普通に読め
ところが当時は合理的と考えられた最初に安全率2倍の内圧試験ついで内圧の反復加圧の後外圧1回というサイクルが
亀裂の発生と進行を遅らせていたことが分かった
要は>>1の主張するような集中応力への不注意が問題なんじゃなくて応力の影響と試験の手順に勘所があったというわけだ
>>1
> デ・ハビランド・エアクラフト
モスキートつくってた会社だよね。
倒産した理由初めて知った。
超新技術の普及には犠牲が付き物という
ダウンバーストとその対策のための
ドップラーレーダーの開発もそんな感じだな
ただの応力集中たった
まあ深海探査機とか見慣れてるとすぐに結論出るが
当時は手探りだったから気づくのも遅かったろうな。
>>4
ほんこれ
血塗られたとか大げさなこと言ってるけど、
日本の現代の標準的な教育受けてたら大半の人はボンヤリとでもそれについて考える
現代人がそういう発想を出来るようになるまでに、何人の人が犠牲になったかという話なのに
「昔の人って馬○じゃね」って言って思考停止しちゃいかんよ
それな
ニュートンの伝記読みながら「なんだ、引力の話か。小学生でも知ってるわ。」って言ってるようなもんだわ。
これで有名なのはマッハ6のX-15だと思ったが
初期は窓が四角いのに高速試験中に圧力で窓が割れて改良されたとか
外の映像でも映しておけば
壁と床と天井で外の映像を映してほしい
夜間や荒天のフライトとか恐怖しかないなwww
昔は流してた離着陸時の映像を流さなくなったのも事故が原因
金属疲労のテスト方法に誤りがあったことが証明された
どうやっても蓋が穴に落ちていかない
地下水路の検査中の検査員の頭上にフタが落ちないようにするため
マンホールの蓋にも血塗られた歴史があるんですね
四角だと一辺の長さより対角線の方が長いから四角い穴だと四角い蓋は同じサイズ同じ形にしても
対角線に一辺を合わせれば蓋が穴に落ちてしまう
マンホールは男女差別なのでこれこらはメンテナンスホールと呼称を変更します。
改良された頃にはとっくにジェットが席巻してて用済みになってた、って説明も抜けてるな。
事故を起こしたコメートはジェット旅客機だが
初老なので記憶が腐ってた… 1もちゃんと読んでなかった…
ほんとにゴメン。
懐かしい!!
略して子科
DC3。
最初は2座席分の長い窓だったよね
>>34
新幹線の窓は六角形も検討されてた
側面の強度を上げるために壁にX型の梁をつけた車両があった
この事故のおかげで明らかになった現象だからな
今の文明は全部血塗られてるだろ
で、F111主翼離脱事故をきっかけに損傷許容設計に発展し
日本航空123便墜落事故をきっかけに破壊制御設計に昇華した
>>43
んなわけあるかい。いちおう2倍の安全率で設計
この安全率に基づいてまず2倍の内圧をかけて静圧に対する強度試験を行った後、
同じ試験機体で与圧の繰り返しによる疲労試験を行なった。しかし最初の耐圧試験で
材料が伸びて丈夫になってしまい金属疲労による亀裂が発生しにくくなっており、
続く疲労試験結果から算出される疲労寿命は実際よりはるかに長くなってしまった。
この誤った寿命に基づいて、まだ安全なはずと飛ばしているうちに金属疲労が進んで、
想定より早く空中破裂に至ってしまったものである。
現在では当たり前の知見だが、この事故で初めて広く知られることになった。
その後の飛行機開発では耐圧試験と耐久試験は別の試験機体で行なうようになった。
ブリカ○に教えなかったのは書いてあるとおり
ここが一番血塗られてるってことか
大戦末から検討に入ってたということだろ
デ・ハビランド社とか初めて知ったけど
だからコメットが出るまではこの問題は表面化することはなかった
唯一B29がこの領域にいたが問題が出る前に短期間で交換廃棄することも多く
また軍用機であるため事故は撃墜などと見分けがつかず看過されてたために気づかなかったとされる
見送りの人に手を振るためだよ。
>>62
俺もそれ
ちょっとでも涙が出たら号泣みたいなア○さを感じる
商業用原子炉も黒鉛炉が事故を起こしてアメリカの軽水炉に負けて原子炉から撤退。
電子計算機でも、結局IBMやユニバックなどに負け。
車も。。。。
・人間は高高度の低気圧に耐えられないので機内を加圧する必要がある。
・窓の角が直角であると加圧により崩壊する。
・急激な減圧が事故を引き起こす。
3行で済むな。
コメットの解析により知見が広がったのであって当時は未知の領域
高速化した新型はビジネスジェットの設計思想に近づいていると思う。
こういう事故は怒らないな
金属疲労の正しい物理モデルが知られていない時代に
どうやってシミュレーションするんだ?
アスペか?
搭乗員は呼吸用にマスクしてるよ
が、金属疲労による強度低下の見積りが小さすぎた。
昔は地球が自転してることを知らない天文学者ばかりだったんだぜ?
何度も指摘されているが
応力集中そのモノを見過ごしていた訳ではなく
評価手法の問題
それもどうかと
そも今なら四角でも作れるんじゃないかと。やらないのは万一を考え、極力不安要素を省いてるからだろう
もし重視してたなら当時も丸く作ってたはずだ、やはり軽視してたのは否めない
んなこと言ったら窓をつけたこと自体が安全性の軽視だ罠
実はその通りだったりする
コメットから客を奪ったB707はさすがに姿を見かけなくなったが
その姉妹みたいなC-135シリーズはいまだに空を飛んでたりする
これだけ長寿なのは旅客機に比べて窓が少ない分だけ
機体に掛かるストレスが窓だらけの旅客機707より相対的に小さくて済んでるから
(あと寿命延長のために機体外板の総取り替えまでやってるがこれは忘れてくれい)
冗談でなく乗客が外を見たがらなければ、航空機の設計者はそこから破壊が進みかねないし
重くなるだけの窓なんかつけたくないんだとさ
貨物専用機も窓無いしな
エアバスのコンセプトモデルなどでは窓無しでキャビン全面ディスプレイとかあるけど
現在の旅客機なら窓を付けざるを得ないわな客を運んでるんだから
アウシュビッツ行きの貨物列車じゃないんだから
実験はしたんだよ
犠牲があって初めて改善の必要を認識したという結果なだけ
なぜその圧力差対策の技術理論が水平展開されなかったのか
コメットの教訓はそんな間抜けな話じゃなくて耐久試験のありかたや破損しても致命的にならないような工夫をすべきということだ
残念ながらJAL123でまだ不足だったことが露呈してさらなる対策がされるようになった
支配層が身を挺すべきという欧州の歴史的価値観にも合致しているのでやむなし
当時でも、耐久実験は行われていて十分なマージンがあると思われていた
理解されていなかったのは、静試験を行った検体は変形する事で、金属疲労に耐えやすくなる点で、これは事故後の検証作業で初めて分かった
なので安全軽視とかそういう次元の話じゃない
現代人が後知恵で文句つけても仕方ないだろ。そんな現象自体知らないんだから。
今に比べたら軽視してたであろう事は明確な客観的事実だよ、重視してたら現在と同じくやってない
そもそも、絶対に今と変わらない、という方が無理がある
いまの形になるまで、何千何万の人タヒがあるんじゃないかな?
だよな
今の旅客機よりもっと安全性に優れた旅客機が出てくるだろうけど、だからといって現在の航空業界が安全性を軽視しているというわけではない
理論や技術を培うというのはそういうこと
全て積み重ねなんだよな
不便な点や不都合が続出する。デザインで賞を狙う建築アーチストにビルディングを
作らせると、そういうリスクは覚悟しておかねばならない。
あまり過去に例の無い目新しい仕様というものは、
いってみれば実験台=モルモットになるということなのだ。
ドイツは作ろうとしたけどできなかったんだよな
やたら技術ではドイツが上だった、量で負けただけ、という奴が多いが、
局所的にはともかく、総合的には技術でも米英のが上だったろう
危険じゃないのかな?
バードストライクをも想定した強度だから大丈夫
旅客機のコックピットの窓も角が丸くないでしょ
>第二次世界大戦が終結してようやく、飛行機の仕事は人と荷物を運ぶことになったわけです。
大戦間で、フツーに旅客機や、水上旅客機があったような気が・・・
こら航空機関係ない土木工学で応力計算してたワシでも【ヤバいかな】
のレベルの大きさじゃ。
https://www.baesystems.com/en/heritage/de-havilland-comet-1—2
どこまで真球に近づけて作れるかが
耐圧力を高める鍵
犠牲がつきもの発展する
歴史が証明してる
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1563961252/
ディスカッション
コメント一覧
>大戦間で、フツーに旅客機や、水上旅客機があったような気が・・・
これ。日本でも南洋の委任統治領への航空定期便があったのに……。
初期は軍用機の歴史というのを強調したいばかりに、戦間期の民間機やエアラインの発達をスルーしたのかな?