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【文学】夏目漱石の『夢十夜』とかいう日本の文学史上でもっとも美しい小説

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1: 2020/09/25(金) 00:29:02.71 ID:OI5rnsb20

腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもうタヒにますという。
…しばらくして、女がまたこう云った。
「タヒんだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。そうして墓の傍に待っていて下さい。また逢いに来ますから」
…「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」

自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘った。真珠貝は大きな滑らかな縁の鋭い貝であった。土をすくうたびに、貝の裏に月の光が差してきらきらした。湿った土の匂いもした。穴はしばらくして掘れた。女をその中に入れた。そうして柔らかい土を、上からそっと掛けた。掛けるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。

それから星の破片の落ちたのを拾って来て、かろく土の上へ乗せた。星の破片は丸かった。長い間大空を落ちている間に、角が取れて滑らかになったんだろうと思った。抱き上あげて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖くなった。

…自分は苔の上に坐った。これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い墓石を眺めていた。
そのうちに、女の云った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。それがまた女の云った通り、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちて行った。
一つと自分は勘定した。

…勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。それでも百年がまだ来ない。

…すると石の下から斜に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。
…真白な百合が鼻の先で骨にこたえるほど匂った。

…自分は首を前へ出して冷たい露のしたたる、白い花弁に接吻した。
自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。
「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。

2: 2020/09/25(金) 00:29:45.31 ID:OI5rnsb20

これを明治の人間が書いたという事実
3: 2020/09/25(金) 00:29:58.69 ID:OI5rnsb20
漱石天才すぎるやろ…
4: 2020/09/25(金) 00:30:46.30 ID:SthCMcZhd
船から飛び降りるやつすき
7: 2020/09/25(金) 00:31:43.33 ID:c+EnFCMBM
>>4
先に書かれてた
5: 2020/09/25(金) 00:31:07.96 ID:RS3JY6ZFa
志賀直哉の短編のが好きや
剃刀とか小僧の神様とか ガ○ジでも読めるし
14: 2020/09/25(金) 00:33:03.74 ID:OI5rnsb20
>>5
志賀直哉は基本的に文章が淡々としてて好みやない
でも暗夜行路の終盤の山から夜明けを眺めるシーンの文はすき
19: 2020/09/25(金) 00:35:03.64 ID:RS3JY6ZFa
>>14
そうでも無いやろ
清兵衛と瓢箪も好きや
6: 2020/09/25(金) 00:31:27.28 ID:OI5rnsb20
ガチで夢十夜以上に文章美しい小説日本にないやろ
8: 2020/09/25(金) 00:31:59.77 ID:zBT+beyI0
なんか文章がお行儀いいだけで
ラノベの方がおもろいな
9: 2020/09/25(金) 00:32:22.92 ID:H5qFhZzX0
内田百閒もええぞ
10: 2020/09/25(金) 00:32:34.40 ID:dzEbKr1i0
いやつまらんやんけ
11: 2020/09/25(金) 00:32:38.29 ID:0Iyfj/Qsa
個人的に夢十夜はクソ
12: 2020/09/25(金) 00:32:52.44 ID:HDnLJvOs0
豚に舐められてまうの嫌やからステッキで鼻を叩きまくるやつにしろや
13: 2020/09/25(金) 00:33:00.02 ID:/H/sON9e0
嫌いじゃないけど難解すぎる
15: 2020/09/25(金) 00:33:39.16 ID:/BsEeQ7I0
「今度は捨てないでね」みたいなやつ
16: 2020/09/25(金) 00:33:50.01 ID:aFUWvaa20
他の詩や小説もそうだが星とか真珠とか綺麗な単語つかえばそれらしくなるよな
25: 2020/09/25(金) 00:36:28.56 ID:OI5rnsb20
>>16
女子高生のポエムかと思いきや明治の文豪が既にやってたと考えると感慨深い
18: 2020/09/25(金) 00:34:58.59 ID:+WtFfzf10
ほんとに夢を書いたんか?
20: 2020/09/25(金) 00:35:17.49 ID:SthCMcZhd
第三夜だったか、夜中に知らない赤ん坊背負いながら歩くやつ怖かったな
「ここ覚えてるかい?お前が俺のことを○した場所だよ」ってセリフ怖すぎやろ
29: 2020/09/25(金) 00:36:55.12 ID:H5qFhZzX0
>>20
最後の一文でゾワッとする
21: 2020/09/25(金) 00:35:20.18 ID:uJ25sLgaa
そもそも近代文学何がおもろいか分からんわ
22: 2020/09/25(金) 00:35:20.47 ID:zSX883HP0
これ現代文の授業で受けたけどようわからんかった
23: 2020/09/25(金) 00:35:52.03 ID:RS3JY6ZFa
船の上で弟○しの話するのも好き
24: 2020/09/25(金) 00:36:16.90 ID:Kzl86aFQ0
でも有名なのってこれと子供を背負ってるのと仏師の話と船から飛び降りる奴だけやろ
27: 2020/09/25(金) 00:36:43.00 ID:C+55mlxs0
ズンって重くなるホラーのやつと自分の木の中には仏像が入ってなかったってのと
この一夜しか覚えとらん
30: 2020/09/25(金) 00:37:24.36 ID:i65fFbGpd
太宰と芥川は読めたけど結局漱石と三島は読めなかった。こころとか苦痛だった
31: 2020/09/25(金) 00:38:47.26 ID:eJs09jRrd
いや宮沢賢治の作品のが美しいやろ
銀河鉄道の夜は正直日本という枠を超えて世界でも通用する作品だと思ってる
あの作品には普遍的な美が宿ってる
33: 2020/09/25(金) 00:39:58.47 ID:HDnLJvOs0
こういう気取った文も好きやがやっぱり畜生書いとる時が一番漱石は活き活きしとるやろ
クシャミ先生の友達が先生の奥さんと娘に講演会で仕入れてきた例え話をドヤ顔披露したら「は?出てくる人物ア○やろ」で伝えたい事を理解できなくて困惑
でも話した本人もただ聞いてきただけやから上手く説明できなくて面倒になって話変えるとか流れが生々しい

引用元: https://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1600961342/

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