【歴史】かってヨーロッパ人の1/3が死んだ「黒死病」から学ぶ歴史の教訓
■労働力不足で社会が崩壊、急拡散の背景に当時の「教え」
西暦1347年のある日、地中海の港に停泊した大型帆船から、歴史上最も危険な疫病の1つが解き放たれた。「黒死病」だ。
積荷や乗客に紛れて上陸したネズミたちには、病原菌をもつノミが付いていた。同じことがヨーロッパじゅうの港で繰り返された結果、1347年から1351年にかけてヨーロッパを襲った黒死病のパンデミックは史上最悪の規模となり、ヨーロッパの人口の3分の1が命を落としたとされる。
黒死病の正体がアジアとヨーロッパで周期的に流行する腺ペストだったことに、ほとんどの歴史学者が同意している。腺ペストはペスト菌が引き起こす疾患で、6世紀にビザンチン帝国(東ローマ帝国)で大流行して2500万人の命を奪った「ユスティニアヌスの疫病」も同じものだった。
■猛スピードで広がり、膨大な死者をもたらした
14世紀の黒死病の後も大勢のヨーロッパ人がペストによって命を落とし、1665年の英国ロンドンでの流行は特に規模が大きかった。最後となる三度目のパンデミックは19世紀半ばに始まり、20世紀まで続いた。
中世ヨーロッパでは、赤痢、インフルエンザ、麻疹、そして非常に恐れられたハンセン病など、多くの伝染病が流行した。けれども人々の心に最も恐怖を与えたのは黒死病だった。ピーク時の数年間、黒死病は後にも先にもない速さで広がり、膨大な数の死をもたらしたのだ。
黒死病は、生き延びた人々の生活や意識を一変させた。農民も王子も同じように黒死病に倒れたことから、当時の文献には、黒死病の前では身分の差などなんの意味もないという思想が繰り返し登場する。
黒死病の原因についてはいくつもの説が提案されたが、そのほとんどが宗教や迷信を前提にしていた。占星術的な現象が黒死病の原因だとする人々もいたし、火山の噴火や地震などの自然現象により有毒ガスが発生したとする説もあった。科学的真実に最も近かったのは古代ギリシャ医学の「瘴気(しょうき)」に基づく説明だった。瘴気は、腐ってゆく物質から発生するという目に見えない「悪い空気」で、呼吸や接触により体内に取り込んでしまうと病気になるとされた。
■ペスト菌の発見
こうした迷信的な説が完全に否定されたのは、三度目のパンデミックが起きたときだった。その頃には研究者は病原体を特定できるようになっていて、1894年に日本の北里柴三郎とフランスのアレクサンドル・イェルサンという2人の細菌学者が同時期にペスト菌を発見した。
のちにエルシニア・ペスティスと命名されたこの細菌は、ネズミなどの小型げっ歯類に寄生するノミによって媒介される。ノミの体内で増殖したペスト菌は、ノミが噛みついた際に相手の体内に送り込まれる。通常、ペスト菌はノミとげっ歯類の間を行き来するだけだが、一定の条件下では、ノミの宿主であるげっ歯類を皆○しにしてしまい、ノミは別の宿主を探さざるをえなくなる。それが人間だ。ペストは動物から人間に伝染する動物由来感染症(ズーノーシス)なのである。
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北里は、あらかじめペストの病原菌を効率的に突き止める作戦を練っていた。彼は香港から
帰国した後、講演でその手の内を披露している。
「不明の伝染病について原因を調査するときは、すでに原因が分かっている病気と比較して、
そのどれに最もよく似ているかを、まず考えます。そうしたときペストという病気は、
病理解剖的にみて、炭疽(そ)症にいちばん似ています」。
ペストは炭疽症との類似点が多い
彼がペストの症状や病理所見と共通性が高い
伝染病として、思いついたのが炭疽症だ。臓器や組織の変化、とくに脾(ひ)臓やリンパ腺の
腫れが酷似している。炭疽症を診断するには、患者の血液中に炭疽菌が存在するかどうかを
見るのが一番だ。当時、生体の血液中に発見される微生物は、炭疽菌と、回帰熱の原因
となるスピロヘータぐらいであった。「ペストの病原菌が炭疽菌と似ているのなら、
患者の血液中に存在する可能性が高い」。そしてその推理は見事に的中したのだ。
彼はペスト患者たちから採取した血液を顕微鏡でのぞいた。すると、特徴的な形の細菌が
認められた。生きている人間の血液に入り込む細菌は、病原菌以外に発見されたことは
ない。ペスト患者の血液中に未知の細菌が存在するのなら、それはペストの病原菌に
違いない。危ぶまれたペスト菌の発見は、北里が研究に着手した6月14日のうちに成し
遂げられたのだ。この成果は、「コッホの4原則」で病原菌としての確定を済ませた
6月18日に公表された。またその内容は、速報としてイギリスに送られ、著名な
医学専門誌「The Lancet」の8月11日号に掲載されると北里の成果は世界に知れ渡った。
絵画はどうにでも描ける
中世から近世にかけて繰り返しヨーロッパ流行してるし、最後の流行は18世紀の南フランスね。
防疫線を設定して移動を禁止しておさえた。
それと、19世紀のパンデミックはコレラね。間違わないように。
ヨーロッパだけならパンデミックとは言わん。
宣伝用に、地獄絵図を描いたかもしれん
人は、仲間うちだけでひっそりと暮らしたいものだからな
東日本大震災が起こったあと、まれなこととはいえ、長い期間で見れば繰り返し起こっている
それに備えるべきだったんだな
と感じたが
今回も同じだな。長い期間で見れば、こういうことも起こる。
ほかに備えるべき事柄がまだあったりするんだろうか
100年とか300年とかの間に1回とか起こるような忘れてしまいがちな危機は
>>13
何といっても、一万年に一度来る、あの超巨大なやつを超えるものはないだろう。
カルデラ噴火。
カルデラ噴火なんて来たら、何をどうしたって九州が半分くらい吹っ飛ぶことは不可避だから
準備も何もないな・・・準備のしようがない。
今後100年の間に1%の確率で来るし、遅くとも1万年後までには非常に高い確率で来るんだけどね。
でも九州よりもアメリカの方が先かな。
題名は忘れたが、30年以上前に中学生の頃に読んだ本の中で、この先、地球上の人類が死滅する要因として考えられる3つのケースが上げられていた
①第三次世界対戦(核戦争)
②隕石の衝突→地球の気候変動
③未知のウイルス
当時はどれもあり得なさそうに感じたが、今や③は現実で、その結果①もありそうだし、②も怖い
空気感染する肺ペストに進化して大流行したって
小説で読んだ
武漢ウイルスは白人が東洋人絶滅のためにACEを標的にして作ったとかいうトンデモな奴が居たが
なんで?
コロナも作るの無理ってなる可能性あるんかな
>>29
ペストはウイルスでなく細菌による病気だ
抗ウイルス剤を開発するのは大変だからワクチンを使って予防する
ペストは細菌だから抗生物質で対応できる
教訓?
これは当時認知されていなかったから教訓かどうかは分からんが、
ポーランドでは農産物を原料として作った高濃度アルコール(後のウォッカ)で家の中を消毒する習慣があった。
そのおかげでペストが蔓延しなかった(あとから判明)。
その教訓?かどうかは知らんが、今では日本の酒メーカーがアルコール消毒酒を製造して供給している。
梅毒、インフルエンザ、コレラ、チフス。
不思議なのは、ペストはアジア起源らしいのに、日本では過去流行したことがない
ヨーロッパは何度も襲われて夥しい数の死者が出てるのに
その理由は不明
引用元: https://egg.5ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1588738689/
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